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「人間の内なる時計」

体内時計を発見した男

ユルゲン・アショフの生涯

サージ・ダーン著、本間研一訳

 

出版:北海道大学出版会

印刷:アイワード

版権:アショフ・ホンマ記念財団

定価:7,700円(税込)

*当財団での購入特典

 ①「Dynamics of Circadian Oscillation in the SCN 」の進呈

​ ②送料無料

 

ついに刊行!
『人間の内なる時計』カバー表1.jpg

『人間の内なる時計』購入のご案内

 

時間生物学の創始者の一人であり、人の体内時計の発見者であるユルゲン・アショフ(1913-1998)の伝記である『人間の内なる時計』の日本語訳がついに刊行されました。是非この機会に、奮ってご購入いただきますようご案内申し上げます。


 購入ご希望の方は、こちらのページでアショフ・ホンマ記念財団までお申込みください。

 財団での購入特典として、英文単行本「Dynamics of Circadian Oscillation in the SCN (Edited by Ken-ichi Honma)を進呈送料無料でお届けします。

この英文単行本は2010年6月から2年間にわたって北大で行われたセミナー「SCN工房」の議論をまとめたもので、哺乳類の生物時計の中枢である視交叉上核の機能と生物リズムの数理的理解を追求したユニークな論文集です。また本書には、2014年のアショフ・ホンマ生物リズム賞の受賞者であるUeli Schbler博士の講演論文も掲載されています。

 

​『人間の内なる時計』刊行に寄せて

 本書は、時間生物学の創始者の1人であり、人の体内時計の発見者であるユルゲン・アショフ(1913-1998)の伝記を邦訳(訳者:本間研一)したものである。

原著(ドイツ語)は、ユルゲン・アショフのもとで博士研究員として光周性の研究をし、その後コリン・ピッテンドリックの研究室で小型げっ歯類の行動リズム解析により生物(体内)時計の機能的構造を解明したサージ・ダーンである。

彼は、アショフがその生を終えるまで、共同研究者として多くの論文を共同執筆した。

本書の構想は、アショフが逝去した直後、前世紀末には出来上がっていたが、完成までに約20年かかった。サージ・ダーンは本書の完成を見届けるようにして、2018年2月に78歳でこの世を去った。

 今日時間生物学と言われている学問分野の、極初期から20世紀終わりまでに展開された重要なブレークスルーについて書かれており、ユルゲン・アショフが如何にそれらに関与したかについて記載されている。

特に、ユルゲン・アショフの独壇場であった外部の周期的環境から隔離して行われたヒトの隔離実験についての記述は圧巻である。これらの科学的業績により、ユルゲン・アショフの研究所、ドイツ・バイエルン州の南、アルプス山麓のエーリング・アンデックスにあるマックス・プランク行動生理学研究所アショフ部門は生物学的リズム研究のメッカとなった。

 ユルゲン・アショフの人格形成に、アショフ家の伝統、特に病理学者として著名であった父親、ルードウィヒ・アショフが如何に大きな影響を与えたかの記述から始まり、愛国心とドイツ第3帝国との間の葛藤、戦時中の研究に対する誤解と苦渋、研究者としての自立、コリン・ピッテンドリックとの家族ぐるみの親交などが詳細に書かれており、歴史の裏舞台とも思える逸話も豊富である。

ユルゲン・アショフの名が当財団の名称にあるように、彼は日本の時間生物学に大きな影響を与えただけでなく、若手研究者の育成にも尽力した。時間生物学や睡眠学、環境生理学の研究教育者には必読の本である。

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